暗号資産(仮想通貨)のマーケットは拡大の一途のようです。
必然的に、「初めて暗号資産(仮想通貨)の確定申告をするのですが・・」という方も、たくさんいるようです。
「そもそも、確定申告自体をしたことがない」という方も少なからずいて、ほとんどは会社員の方だと思いますが、ここでは、個人の方(個人事業主でない方)を前提に、暗号資産(仮想通貨)の確定申告に関する基本中の基本事項を3点に絞って説明したいと思います。
1.暗号資産取引で生じた損益は 「雑所得」
所得税の確定申告に際しては、まず、所得を10タイプに区分します。
暗号資産取引の損益は、「雑所得」というタイプに区分されます。
雑所得の特徴としては、
① 暗号資産取引に掛かった経費を計上できる
② 損失を「給与所得」と相殺できない
③ 損失を翌年度以降に繰り越しできない
等があげられます。
上記に 損失 と書きましたが、雑所得では 赤字 を認識できないため、仮に損失が生じても0円 になります。
2.暗号資産取引で購入したパソコン代
暗号資産取引のためにパソコンを購入した場合、1台の値段が10万円未満であれば全額を費用にできます。
1台の値段が10万円以上である場合、48か月間で均等按分して経費計上します。
購入したパソコンを暗号資産取引以外でも使用する場合、使用割合で更に按分した金額が経費として認められます。
3.帳簿や領収書の提出について
雑所得に関しては、収入から経費を差し引いた金額(=所得)を確定申告書に記載するのみです。
いわゆる「収支計算書」の提出も、取引報告書や経費領収書の提出も、必要ありません。
提出の必要はありませんが、所得金額を明らかにできる計算書の作成と保管、取引報告書や経費領収書の保管は必要です。
国税庁が公表している 『記帳•帳簿等の保存制度』には、”令和4年以降、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円以上の方は、その業務に係る現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があります。” とあります。
収入金額が300万円未満であれば、保存しなくて良いようにも読み取れますが、収入金額がいくらであっても5年間は保存しておくよう、当事務所では推奨しています。