コラム

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コロナに関する支援金について思うこと

来週3月8日(月)から、新型コロナウィルス感染症の緊急事態宣言の影響を緩和するため、中小法人・個人事業主を対象にした一時支援金の申請受付が始まります。

ここでちょっと、つぶやき的に、コロナに関わる支援金について思うところと書いてみたいと思います。

  

一時支援金は、昨年の持続化給付金より申請書類が増え、申請前に登録確認機関から事前確認を受けるなど、少しハードルが高くなっています。

ですが、このハードルは本当に事業が行われているか、支給対象者であるかを確認するためのものなので、普通に事業を行い制度内容を理解している事業者であれば、難なく乗り越えられる程度のものです。

  

今回の一時支援金で経営が救われる事業者は多くいることと思います。

実際に、持続化給付金の時には、そういう事業者の方々が多くいました。

なので、持続化給付金も一時支援金も、必要な措置だと思っています。

その一方で、現場を広く見ていると、スッキリとしない思いがあるのも事実だったりします。

制度には画一的なルールが絶対的に必要ですが、現場は色々と状況が複雑なので、どうしても救われるべき人が救われない現実が生じたりします。

  

持続化給付金も一時支援金も、給付の判断基準は「売上高」です。

一時支援金の給付対象は、2021年1月~3月の売上が前年あるいは前々年同月比で50%以上減少していること、です。

  

ですが、企業の業績というのは、本来は「売上」ではなく「利益」で見るものです。

売上が上がっても利益が下がる、ということはあり、実際に経営が苦しいのは、利益が減った事業者たちです。

  

単一事業であれば、臨時的な出費が生じない限り、売上が減れば利益も減ります。

ですが、世の中すべての事業者が単一事業であるとは限りません。

 

例えば、物販業とサービス業を営んでいる会社の場合。

新型コロナウィルス感染症対策で人との接触回避が要請され、サービス業が大きく業績が落ち込んだため、その落ち込みをカバーするため、物販業を必死に頑張った結果、以下の業績だったとします。

<前年(コロナ前)の売上と利益>

物 販 業サービス業合計
売上高50万円50万円100万円
売上原価35万円0円35万円
粗利15万円50万円65万円

<今年(コロナ後)の売上と利益>

物 販 業サービス業合計
売上高80万円5万円85万円
売上原価56万円0円56万円
粗利24万円5万円29万円

この会社は、粗利は50%以上の落ち込みですが、売上は50%以上の落ち込みとなっていないため、給付金や支援金の対象外です。

固定費は物販業とサービス業に共通してかかり、その金額が30万円だったとすると、今年(コロナ後)の会社の利益は赤字です。

ですが、事業単位の申請が認められないため、この会社は給付金や支援金の対象外と判断され、画一的に切り捨てられている現実があります。

  

新型コロナウィルス感染症が3か月で収束する、とでもいうのなら、思い切って物販業も縮小して売上を減らすという方法を取ることもできます。

そうしたら、給付金や支援金を受けられ、雇用助成金ももらって、短期的に見ればその方が会社にとって資金繰りは楽になるのかもしれません。

けれども、新型コロナウィルス感染症は先が見えず、過去の経験から完全収束までに数年は要すると想定され、そう安易に事業規模を縮小するという選択肢が取れません。

事業は生きものなので、動かさなければそれだけで衰退していきます。

経営者の立場としては、事業を縮小するという選択は、一時的なもので終わる保証がないため、とても怖い。

だから、なんとか事業を存続させるために必死に頑張っているのに、そんな会社が救われないという現実。

  

持続化給付金も一時支援金も、規模が大きすぎて、とても個別の事情にまでは応じられないのでしょう。

個別の事情に応じると、人によって判断が分かれるため、公平性を欠くという問題も生じます。

個別の事情に対して判断基準を一定に保とうとすると、判断する人間を絞らないといけず、今度はそこに作業が集中して相当な時間がかかることでしょう。

最大多数の最大幸福的に考えれば、恐らく、今のやり方がベストなのだろうとは思います。

  

それでも。

やはり、納得行かないなぁ。。。

  

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