よろず支援拠点、という機関をご存じでしょうか?
国が設置する機関で、管轄は中小企業庁になります。
よろず支援拠点には多様な分野の専門家が登録しており、彼らが小規模企業経営者の悩みの解決をお手伝いしてくれます。
利用料は無料で、相談回数の制限なども設けられていないようです。
民間の事業会社が提供する無料相談は、基本はお客を捕まえるために提供しているサービスなので、一度利用すると何度も営業の連絡がきたり、結局肝心なところは何も教えてくれなかったり。
ですが、よろず支援拠点の専門家は、国から報酬が支給されているので、きちんと対応してもらえます。
相談者に営業活動をしてはいけない決まりだそうで、そういう煩わしさもありません。
当事務所自身が よろず支援拠点 にお世話になっています。
なかなか便利な機関だと思っているので、必要に応じてクライアントの方々にも利用をお勧めしたりしています。
当事務所が相談しているのは、自社ホームページに対する改善ポイント・アドバイス、です。
このホームページはワードプレスで作成しており、基礎的な設定は業者にお願いしましたが、全体的なイメージ、写真の選定、ページの構成、文章などの内容的なところは、自分たちで形作っています。
今年1月の公開後は、運用管理、コンテンツの更新等、すべて自前で対応しています。
時代の変化は速いので、何かあったらすぐにコンテンツを更新できるメリットが自作にはあります。
一方、第三者の意見なく作成してしまうので、アクセスしてくれた方にとって分かりやすく有用で親しみやすい内容になっているかについてが悩みどころ。
それで、よろず支援拠点に「ホームページの評価をお願いしたい」と相談してみたところ、専門家の方を紹介いただき、以来、必要に応じて相談させていただいています。
当事務所にとっての よろず支援拠点 の価値は、次の3点にあると思っています。
1.悩みを解決する個別具体的なアドバイスがもらえる
2.専門家と話をすることで、頭の中が整理される
3.気楽に相談できる
これまで何度か相談させていただいた中で、実は、個別具体的な解決策というのは、そうあることではありません。
そもそも相談するこちら側の相談内容自体が漠然としていることもあります。
それよりも、本当に役に立つのは2に書いている ブレインストーミングになる 点にあると思っています。
※ブレインストーミング:会議の参加者が自由に意見を言い合うことで、クリエイティブな発想を促す手法
自分で事業をやっていると、様々なことを自分で考えて答えを出していかなくてはいけません。
よく「経営者は孤独である」と言いますが、それは大企業であっても個人事業であっても同じです。プレッシャーの大きさには、違いがあるかもしれませんが。
自分が抱える問題を本当に理解している人間は、自分しかいません。
いろいろとアドバイスをもらっても、決断して責任を取るのは、自分しかいません。
どうしても一人で考えて一人で悩みがちなのですが、話すことで頭の中が整理される、ということがあります。
相手の方がその分野の専門家の方だと、何気なく発した一言に「なるほど」と思わぬヒントを得られたりもします。
相談が終わったあと「こんな話で役に立ったのでしょうか?」と、申し訳なさそうな顔で聞かれることがありますが、「おおありです!ありがとうございました!!」となることが多い。
気楽に相談できる機関であることにも、その理由があるように感じます。
民間の事業会社にお金を払って、となると、どこかお互いに肩ひじ張ってしまうところがあり、また依頼する方としては、「1回いくらよね」と思うと、つい相談自体をためらってしまったり。
日本の経済は中小企業が支えており、国の中小企業に対する支援策というのは、実は結構手厚いものがあります。
残念なことに、そういった様々な支援策が全く認知されていない。
当事務所も、会計税務をはじめとする管理系については得意ですが、営業とか販売とかになると素人。ホームページも素人。
なので、自分たちの専門分野以外で経営者が悩んでいるような場合は、よろず支援拠点のような国の施策機関を紹介しています。
よろず支援拠点にも色々な人がいますし、人間関係には相性もあります。
必ずしも全員が全員「相談してよかった」という反応があるわけではないのも事実ですが、それでも何か悩みがあれば、相談してみる価値はあると思います。
相談する時のコツは、期待しすぎないこと、でしょうか。
「回答をもらおう」とするのではなく「相談してみよう」という気持ちで臨む方が、よい方向に導かれるように思います。
よろず支援拠点は全国各都道府県に設置されています。
▼ よろず支援拠点
https://yorozu.smrj.go.jp/