税制は毎年変更があります。
このため、所得税の確定申告書の様式も、毎年毎年、変更が加えられています。
令和3年分の確定申告書も、あまり目立たない所で、小さな変更点がいくつか加えられています。
そのうちのひとつが、第二表の下、『住民税・事業税に関する事項』欄に 「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」という区分が設けられたこと。
配当所得等については ① 総合課税 ② 申告分離 ③ 申告不要 の3つの課税制度があり、税金上、総合課税が有利だからと 総合課税 を選択すると、社会保険料が高くなってしまうことがありました。
仕組みとしては、総合課税で所得金額が大きくなり、その所得金額で社会保険料が計算されてしまうからなのですが、これを避けるためには、昨年までは、住民税については配当等を「申告不要」とするよう、確定申告とは別に、市町村に個人住民税の申告をする必要がありました。
令和3年の確定申告では、「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」欄に丸印をつければ、個人住民税においては申告不要を選択する旨が市町村に通知され、確定申告とは別に住民税の申告を行う必要がなくなりました。
関係する方にとっては、便利になりました。
なお、上記は配当所得等のうち 全部 を個人住民税で申告不要とする場合には使えますが、配当所得等のうち 一部 を申告不要とする場合、これまで通り、個人住民税の申告が必要になるので、ご注意ください。
加えて、少し先の話になりますが、令和5年分からは所得税と住民税で課税上の取扱いは統一される予定となっています。